韓国のコスプレイベント「コミックワールド 330 一山」に行ってみた

— KINTEX会場の外側で感じたこと —
2026年3月14日と15日、京畿道・一山のKINTEXで「コミックワールド330 一山」が開催された。
コミックワールドは、アマチュア作家による漫画・ゲーム・キャラクター作品の同人誌販売や展示が中心となるイベントで、日本のコミックマーケットに近い文化を持つイベントとして知られている。
一山だけでなく、釜山、大邱、水原、蔚山、清州など韓国各地で開催されており、若い世代のサブカルチャー交流の場として定着している。
会場内にはステージも設けられ、ダンスや歌、パフォーマンスなどが披露されるほか、人気投票なども行われるという。
実は私は会場の近くをたびたび通り過ぎる。これまでもイベントの日になると、会場へ向かうコスプレイヤーの姿を街で見かけることが何度もあった。
「いったいどんなイベントなのだろう?」
そんな素朴な興味から、今回はカメラを持って会場まで足を運んでみることにした。
会場の外だけでも分かるイベントの熱気
KINTEXに到着すると、会場の外にはすでに多くの若者が集まっていた。
頭の先から足元までキャラクターになりきったコスプレイヤーたちが、思い思いに写真を撮ったり、スマートフォンで動画を撮影したりしている。
中には振付を確認するグループの姿もあり、おそらくステージ出演前の最終調整なのだろう。
会場の外にいるだけでも、このイベントの賑わいは十分に伝わってくる。
もっとも、正直に言えば、私は最近のアニメやゲームをほとんど知らない。目の前にいるコスプレイヤーがどの作品のキャラクターなのか、すぐには分からないことも多い。
しかし、それが分かればこの光景はもっと面白く見えるのだろう。そんなことを想像しながら、人々の様子を観察していた。
思い切って声をかけてみる
せっかくカメラを持ってきたのだから、撮影せずに帰るのは少しもったいない。しかし、許可を得ずに撮影するのは当然マナー違反になる。
とはいえ、ファンでもメディアでもない“ただのカメラを持ったおじさん”が突然声をかけたら、相手はどう感じるだろうか。
そんなことが頭をよぎる。
こういうときは、あまり考えすぎないほうがいい。思い切って声をかけてみることにした。
柱に寄りかかって一人でスマートフォンを見ていた少年が目に入り、「写真を撮ってもいいですか?」と声をかけてみた。
一瞬だけ驚いた表情を見せたものの、彼はすぐに笑顔になり、快く撮影に応じてくれた。

一度撮影ができると、次からのハードルは一気に下がる。タイミングを見ながら何人かに声をかけてみたが、皆とても気持ちよく応じてくれた。
このイベントには、どこか穏やかな空気が流れているように感じた。
撮影した写真をどうするか
撮影した写真は、イベント紹介としてブログやnoteに掲載しようと思っていた。
しかし撮影場所は会場の外。背景はKINTEXの建物や通路で、どうしても人も映り込んでしまう。
イベントの楽しさを伝える写真としては、少し物足りない。
そこで思いついたのが、AIによる背景変更だった。
試しにAIで背景を差し替えてみると、これが驚くほどコスプレ写真と相性が良い。キャラクターの世界観に合った背景に変えるだけで、写真の印象が大きく変わる。
まるで昔のモノクロ写真が、鮮やかなカラー写真に生まれ変わるような感覚だ。

一方でカメラマンとしては新たな疑問も生まれた。
「ここまでAIが補正できるなら、撮影はスマートフォンで十分なのではないか?」
そこでこの疑問を投げてみたところ、興味深い回答を得た。
高級カメラの最大の強みは「元データの質」にある。
AIは補正は得意だが、存在しない情報を完全に作ることはできない。フルサイズカメラは
・センサーが大きい
・光を多く取り込める
・RAWデータの情報量が多いつまりAIが処理する「材料」が圧倒的に良い。
なるほど。そう考えると、重いカメラを持ってきた意味もあったというわけだ。
想像以上に大きなイベント
今回会場まで足を運んで感じたのは、このイベントの規模が想像以上に大きいということだった。
SNSを見てみると、日本から参加しているコスプレイヤーの姿も確認できる。
今後は海外からの参加者もさらに増えていくのではないだろうか。
もともと日本のアニメは韓国でも非常に人気が高い。今回も「鬼滅の刃」や「NARUTO」など、日本の作品のコスプレイヤーを数多く見かけた。
アニメやゲームといったサブカルチャーは、日本と韓国の文化交流の大きな役割を担っているのかもしれない。
では、私にできることは何だろうか。
こうした現場の空気を記録し、発信していくこと。それが、ささやかながら私にできることなのだろう。






